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平成26年7月工藤協志前会長から引き継ぎ、青森県小児科医会の会長に就任いたしました。どうぞよろしくお願い致します。

青森県は本州最北端に位置していますが、面積が東京都、千葉県、神奈川県を合わせたものとほぼ同じで、四国の半分よりも広いというと驚かれるでしょう。三方を海に囲まれて東西、南北ともに直線距離で約160kmの広い土地に130万人が住んでおります。

観光案内のようになりますが、まず青森県の特色をご紹介します。

青森県は日本の中でも特に四季がはっきりと味わえるところだと思います。今年の冬はまれにみる暖冬とは言え、太平洋側ではスケート、日本海側ではスキーなどのウインタースポーツが盛んです。春は弘前城の桜が有名ですが、梅もほぼ時を同じくして開花します。それに続いて白いリンゴの花、つつじなどが咲き誇り約3ヶ月間の春をフルに楽しめます。7月から9月にかけては汗が滴り落ちる長い暑い夏がやってきます。その真ん中に勇壮なねぷた祭り(弘前市、黒石市などではねぶた祭り)が開催され夏本番を楽しむことが出来ます。秋は9月の末から11月まで、食料自給率全国4位の青森県ならではの豊かな収穫の季節が続きます。

紀元前5500年頃から1500年も定住生活が続いたとされる、縄文時代を代表する三内丸山遺跡の壮大なスケールからもうかがい知れるように、きれいな水と空気のもとで山海の食材にも恵まれ、自然の豊かな青森県は人が住むには大変適した土地のように思われます。

この環境を破壊せず大切に維持してゆくならば、子どもが育つにもとても良い環境にあると思います。以前はハンディキャップと考えられていた中央との距離も、交通機関が整備され、インターネットをはじめとしたコミュ二ケ―ションツールの発達により、問題にならなくなってきております。

そのような多くの良い点を持ちながら、青森県も他の県同様少子高齢化、人口減少(特に小児人口の減少)に歯止めがかかりません。もっとも大きな理由は若者の働く場が少ないことです。若者の雇用さえ確保できれば少子化を食い止めることは十分可能だと思われます。県内でも若い世代の比較的多い地区では、2人目、3人目の子どもを持つ夫婦が増えてきている印象があります。

さて1983年に発足した青森県小児科医会は小児科開業医を中心に活動をしてまいりましたが、さらなる発展のためには会員数を増やす必要があると考えています。そのためには勤務医、その中でも特に中堅、若手の入会を増やさなければ、活性化してゆくことは難しいでしょう。これからは勤務形態の違い、小児医療に対する役割の違いなどを超えて、小児科医全員が力を合わせて進んでゆく必要があります。県内唯一の医育機関である弘前大学小児科との連携も深まりつつあります。

誰かがやってくれるだろうという姿勢ではなく、会員各自がそれぞれ得意な分野の役割を担当し、小児科医の力量と社会への貢献の実態を積極的に訴えてゆく必要があります。

新専門医制度の開始や、その他医療供給体制などが大きな転換点を迎えています。小児医療もその渦の中に巻き込まれようとしています。課題は数多くありますが、青森県小児科医会の組織を整備し基礎体力を増してゆくことで実現可能になることが多くあると思われます。

新年の集まりで「小児科の先生は、まじめで堅い話ばかりする」と発言した若い小児科医がいました。思い当たる節があります。悲観的な話をしがちですが、未来そのものであるこどもの育成に係わっている小児科医は、楽天的で未来を信ずる存在であるべきです。

微力ながら皆様と力を合わせて、こどもたちを守り育んでゆく役割を担ってゆきたいと考えております。

 

平成28年2月16日

青森県小児科医会会長

河内暁一

日本小児科医会会報51号に掲載