6今回は赤ちゃんが1歳のお誕生日を迎える頃について、お話したいと思います。初めてのお誕生祝いは大変嬉しいものです。家族みんなで写真を撮ったり、赤ちゃんの手型、足型を取ったり、今どきは誕生日の写真を携帯の待ち受け画面にするお母さん、お父さんも多いかも知れません。楽しい思い出をたくさん作るでしょう。
さて1歳の赤ちゃんにはどのような特徴があるのでしょうか?体重は生まれたときの3倍、身長は1.5倍くらいになっています。乳歯も上下何本かずつ生えていると思います。運動の面では、つたい歩きができ、早い子どもはもう一人歩きができます。精神的な面では周辺にある色々なものに対して興味津々の時期です。診察用のペンライトなどを見せると手を伸ばして取ろうとします。持たせた後に「ちょうだい」と言うと返してくれたりもします。キィティーちゃんとかのキャラクターが描かれているシールをあげると、喜び「どうもありがとう!」とお礼をうながすと、かわいらしく頭をちょこんと下げたりします。危ないものに手を伸ばそうとしたときなど、「いたい、いたい」と言うと手を引っ込めたりします。簡単な指示に応ずることから、言葉の理解が進んできていることがわかります。自分からもマンマ、ブーブー、とか言葉を一つ二つ言えるようになります。ビ!と言うのがテレビを指していたりすることもあります。欲しいものを指差したりもします。ほめられる、しかられることも理解し始め、ほめられると同じ動作を繰り返したりします。大人のまねをするようになるのもこの頃です。お母さんが使ったヘアーブラシなどを持たせると、自分の頭に持っていったりします。自分の名前を呼ばれると振り向くようになります。1歳になって、呼んでも知らない振りをしている、周囲に対する関心が少ない場合は、やや心配です。聴力障害が原因のこともありますし、それまでに気付かれていなかった軽度の精神発達遅延のことなどもあります。一度小児科医に相談してみてください。
次に、親は1歳の赤ちゃんに対しどのように接するのがよいのかを考えてみます。
1歳ではかなりの赤ちゃんが、保育園、託児所などに通っていると思います。それまで元気で熱など出したことがないのに、保育園に行くようになって急に風邪などをもらってくるようになります。人は一生のうちに約200回風邪をひくと書いているものがあります。その1回目が始まったと考えてよいのですが、毎回きちんと治す必要はあります。適切な手当てをしないでおくと、蓄膿症、中耳炎、肺炎などを合併し、やっかいなことになります。ただ、1歳頃になると、薬を飲ませるのがそれまでに比べて、なかなか大変になります。乳児期のように、ごまかして飲ませることが難しくなりますので、よく話しかけて、説得(?)して、納得させる努力が必要です。そのほか、保育園などの集団生活に入る前の大切なものに予防接種があります。1歳を過ぎると麻しん、風しんなどの予防接種が始まります。時々制度が変わったりしますので、かかりつけの小児科で確認しておくのがよいでしょう。また、1歳を過ぎるとそれまで飲んでいた母乳は、やめなければならないと指導されることがあったかと思います。離乳は完了しているが、時々おっぱいを飲んでいる時には、無理に母乳をやめる必要はありません。赤ちゃんが自然におっぱいに興味がなくなるまで待つのがよいとされ、以前の断乳ではなく、卒乳という言葉が使われることもあります。ただ、牛乳や、果汁などを哺乳瓶で飲ませるのは、虫歯になりやすいので勧められません。なるべくコップから飲ませるようにしたいものです。私は1歳頃の赤ちゃんは特に感受性が強いように思います。心底から安心して抱かれているという経験、まわりから愛されているという実感が、その後の心の成長にも極めて大切なことだと思います。