8三歳というのは、発達の過程ではどのような時期なのでしょうか。運動能力の面ではその発達は目覚しく、飛んだり跳ねたり、三輪車に乗ったり、足を交互に出して階段を上がったり、片足立ちができるようになります。また積み木を積む、クレヨンや色鉛筆などで丸を描く、大きめのボタンをはめる、ボールをける等、手足の細かいバランスが要求される運動もできるようになります。言葉の発達も顕著で、会話が成り立つようになります。基本的な生活習慣も少しづつ身についてきて、排尿の自立、顔をふく、洗う、食事の際に「いただきます」「ごちそうさま」が言える、おもちゃの片付けなどができるようになります。しかし一方、三歳児の大きな特徴の一つに自我の発達、自主性の発達による第一反抗期があります。自分は自分。他人は他人。自己中心主義のかたまりです。この年齢の子に何かをあげようとするとき、「00君にはこれをあげようね。00ちゃんは女の子なのでこっちかな」と言うと、ほぼ間違いなく相手の物を欲しがります。また二歳、三歳、五歳になる三人兄弟が診察に訪れると、まず三歳の子が一番先に診察のイスに座ろうとします。「小さい子から順番に」と言っても、なかなか言うことを聞きません。周囲の色々なものに興味しんしんで何でも自分でやってみなければ気が済みません。いたずら盛りでもあり、少しも目が離せません。あまのじゃくでわがままなのが三歳児の特徴です。そのような子供に行うのが三歳児健診です。乳幼児健診はこれが最後で、その後は小学校に入学する前の就学児童健診まで正式な健診はありません。三歳児健診では、生まれつきの病気などはそれまでの健診で指摘されていることが多いので、子どもの社会性とか、言語、情緒などの発達を中心に診ることになります。三歳児健診では必ず本人に名前と年齢を聞きます。こちらと目を合わせて名前が言える、年齢を指で示すか、言葉で言えれば、言語理解、聴力、視力、社会性(人間関係)などには問題がなさそうだと分ります。まれに子供がもじもじしたり、照れたりして返事が少し遅れると、すぐに子どもの代わりに名前を言ってしまうお母さんがいますが、少し辛抱して待ってあげてください。しかし何度声をかけても返事をしない子もまれにいます。そのようなときには聞こえていないのか、恥ずかしがりやなのか、自閉症など情緒に問題があるのかなどを判断しなければなりません。視線が合うかどうか、多動傾向がないか、衝動的な行動を取らない蚊などを観察します。この年齢の子供は、とにかく元気一杯で、親の言うこともなかなか聞かないのが普通です。逆に素直で何でも親の言うことを聞き、手のかからないよい子だというのは、自主性がうまく発達していないこともあります。けが、事故には注意が必要ですが、子供のやりたいことは制限せず、過保護、過干渉にならないようにすることが大切です。一方で、火遊びとか危険なことをした場合は、きちんとしかる。人に迷惑をかけない、順番を待つなど我慢することも徐々に教えてゆくべき年齢です。この時期がいかに大切かは、三つ子の魂百までもということわざからも、うかがい知ることができます。