9 三歳前後の第一反抗期も終わりを迎えるころになると、子どもの個性はより鮮明になってきます。大変活発でじっとしていない子、初対面の私に「あのねー、おじさん」と話しかけ、母親から「おじさんじゃなくて先生でしょ」と注意されるような、物おじなど全くしない子、逆に恥ずかしがりやさん、照れやで引っ込み思案なため、うつむいてばかりいる子などいろいろです。

さらに成長して五歳ごろになると、見違えるほど大人びてきます。運動能力も高度で安定したものになり、テレビゲームをはじめ種々のおもちゃとか、道具などで上手に遊べるようになります。

言葉の表現も多彩になり、会話もスムーズになります。数や曜日の概念もはっきりしてきます。食事、衣服の着脱、排せつなどの基本的習慣も確立し、我慢したり、順番を譲ったりなどの社会性も発達し、友達と仲良く遊べるようになります。集団生活が十分可能な年齢といえます。

実際、最近の調査を見ますと五歳児の90パーセント以上が、昼間保育所や幼稚園に通っているようです。仕事を持っている母親が多いこともあり、早い子では産休明けすぐから保育所へ通うことも珍しくありません。早朝、深夜にも子供を預かったり、長時間保育を行っている所もあるようです。

幼稚園でも三年保育が主流になってきています。保育所、幼稚園は子供にとって初めての集団生活です。それまでの家庭の中での家族だけとの生活とは違い、多くの人たちとの接触が始まります。風邪、おたふくかぜ、水ぼうそう、はしか、インフルエンザなどさまざまな感染症をもらうようになります。

さらにやっと治ったと思うと、すぐに別の病気をもらってくることも多々あります。こんな時期が一年くらい続くようです。そこで少しでも感染症を防ぐ為に保育所、幼稚園に入る前に必要な予防接種を完了しておくことが大切なのです。それらを含めて保育所、幼稚園では子どもの健康について、指導、助言をしてくれる専属の小児科医がいるとよいと思います。

時々、保育士、幼稚園教諭から子供のことに関してアドバイスを受けたという家族の話を耳にすることがあります。適切な指導をしていただくためにも、子供のお世話をする方に正しい知識を持ってもらうよう、勉強会、講演会なども必要だと感じることがあります。

先日、私が校医をしている学校で、就学時健診がありました。来春には元気いっぱいで入学できそうな子供がほとんどでしたが、中にはこちらが話し掛けても話を聞いていない、視線が合わない、自分勝手な行動をしてしまうなど、発達障害を疑わせる子供がおりました。そのような子は幼稚園の中でも気付かれていると思います。なるべく早く対処してみんな元気な1年生になって欲しいものです。