15うちの子供はいつも風邪を引いていると感ずる親御さんもいるかと思います。風邪を引きやすいか判断するには、子供の年齢、回数及び風邪の程度、期間や子供のおかれている環境を考えなければなりません。

人は一生に二百回くらいは風邪を引くという説があります。小学校の高学年になれば、風邪を引くのは年に3~4回、思春期以降では1~2回ほどになります。とすれば十歳ごろまでに百回ほど、年にすると十回風邪を引くことになりますね。

最近はほとんどの乳幼児が保育園や幼稚園に通っています。私も幼稚園に健康診断に行くことがありますが、三歳ぐらいまでの子供のかなりが風邪を引いており、さながら風邪の交換所のようです。三歳頃までは、年に十回程度の風邪は許容範囲と考えてよいでしょう。

では、風邪を引かせないようにすることは可能でしょうか?風邪が流行しているときなどむやみに人ごみに連れ出さない、体を冷やさない、うがい、手洗いをまめにすることなどが考えられます。

夏の気温の高いときにも風邪を引く子はいます。汗をたくさんかいている状態で眠ってしまって、目が覚めたときには体が冷え冷えとしているといったことも注意が必要です。

スーパーマーケットなどで子供を乳母車に乗せて、生鮮食品や冷凍食品のコーナーをのぞいている若いカップルを見かけます。赤ちゃんの体の位置は、親のひざ元あたりです。親が思っているより、かなり温度の低い、寒いところにあることになります。バスタオルの一枚でもかけておかなければ体が冷えてしまいます。これじゃ明日の朝、熱が出るだろうなーと心配することもあります。しかし突然「私は小児科医なのですが、赤ちゃんが寒いと思いますよ」と注意するのも、変なおじさんと思われるのがおちだろうと思い、はらはらしながら無事を祈っています。

次に子供の発熱についてお話します。子供が熱を出すと不安になるのは当然です。意外にも多くの人が、高い熱を出すと脳に悪影響があると考えるようです。しかし、体温は41度を超えなければ、熱自体が重大な障害をもたらすことは無いといわれています。

また、熱の高さと病気の重さとは、あまり相関がないようです。へんとう腺の熱などは39度とか40度近いこともよくありますが、子供は割と元気だったりします。逆に38度くらいの熱でも元気が無く、食欲も無く、笑顔がまったく見られないときなどは注意が必要です。

熱が出ると熱冷ましを使いたくなりますね。小児科医は一般的に38.5度を超えたときにはじめて解熱剤を使うように指示します。しかし解熱剤は子供に使えない成分が意外と多いのです。安易に大人に使う解熱剤の量を加減して使うというのは大変危険です。

まれに微熱が続くと、心配して病院を受診されることがあります。小さい児ほど体温が高いのは普通で、学齢前は37.5度未満は発熱とは言いません。予防接種のときも熱があるという基準は37.5度以上です。熱よりも全身状態を見ることが大切だと思います。