17 薬には粉ぐすり(散剤)、水ぐすり(水剤)、錠剤、カプセル、座薬、張りぐすり、塗りぐすりなどさまざまなものがあります。「良薬口に苦し」ということわざがありますが、よく効く薬が必ず苦いわけではありません。このことわざは、たとえ味が悪くても、病気を治すためにはのまなければならない薬もあるという意味だと思います。

子供、特に幼児は、なかなか薬をのんでくれないものです。そこで子供用に甘い味を付けたシロップ剤があります。またドライシロップといって、そのままでも飲めますが、水に溶くと甘い水剤になるものもあります。

粉と水とには一長一短があります。一見、子供には水剤がいいように思いますが、水剤は甘すぎると嫌がる子供もいます。水薬は処方されてから一週間程度が安全な保存期間であり、その後は色が変色したり、沈殿ができたり、効き目が低下することもあります。

一方、散剤はとても苦いもの、においのよくないものもあります。ただ、一回分が分包されており、水剤のように分量を間違える心配がありません。日光に当てたり、湿気にさらさなければ、保存によって効き目が低下することは少ないと考えられています。

また、子供の好きな物(牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ゼリーなど)に混ぜて、飲みやすくすることも可能です。しかし飲んでくれなければ仕方ありませんので、その子の飲みやすい方を選んでよいと思います。

錠剤は5~6歳でのめる子もおり、ぜひ錠剤にしてくださいと言われることもあります。しかし小児科医は体重に合わせて薬を出しますので、錠剤だと一回の量が三分の二錠という場合もあり困ります。散剤の方が量を細かく調整することができます。一方、十歳を越えて体重が40キロもある子が錠剤をのめないということもあり、散剤だと大変量が多くなるので頭を悩ますことがあります。

時に、一ヶ月以上も前の残っていた薬を飲ませたという親がいます。水剤は先に書いたように変質している可能性が大きく、絶対にだめです。散剤や錠剤もその時々の病状に合わせて処方しているので、風邪薬という感覚で残っている薬を飲むのは感心しません。

賞味期限が切れた食品を食べるようなもので、何も起こらないかもしれませんが、重大な副作用が出るかもしれません。薬には一日一回とか、二回、三回、時には四回のむようにという指示がありますね。この回数はぜひ守ってください。回数を多くしたり、一度に倍の量を飲んでも病気が早く治ることはありません。

散剤は一般に、食後に服用と書かれてありますが、子供の薬のほとんどは食事の前に飲んでも問題ありません。赤ちゃんのときと違い、二歳、三歳になるとなかなか薬をのんでくれないものです。無理やりにのませようとするとかえって抵抗され、親子関係も悪くなります。薬を飲む理由をきちんと説明して納得させてのませ、上手にのめたらうんと褒めてあげましょう。小児科の先生は薬ののませ方について、いろいろな裏技を知っていますので、困ったときには相談してみるとよいでしょう。