19 子供のいる家庭の中には、いろいろな種類のおもちゃがあると思います。最近は少子化で子供が一人とか二人の家庭が多くなっていますが、子供一人当たりのおもちゃの分量は、子供の数が少ない方が多いように思います。孫のために喜んで買ってくれるおじいちゃん、おばあちゃんも多いでしょう。子供にとっておもちゃとは、生活必需品で発達には不可欠なので、心の栄養素と言う人もいます。

それではおもちゃにはどんな役割があるのでしょうか。3~4ヶ月の赤ちゃんにガラガラを持たせると喜んで振ってくれます。手で物を握ったり離したりができるようになり、音が出るものに興味を示すようになったことで運動機能を高めることを目指したおもちゃです。

一歳前後で歩き始めの時期の手押し車などもそうです。私の病院の待合室にはたくさんのおもちゃがありますが、その中に自分の好きな形に作って遊ぶブロックがあります。二歳から五歳ころの子供たちは、自分の作ったものを私に見せに来てくれることがあります。感心する出来栄えのことがよくあります。これは知性、創造力を刺激するものです。

立体パズル、合体キャラクターなども自分で考える力を付ける助けになるでしょう。マラカス、カスタネット、タンバリン、鉄琴、木琴、踏むと音の出るマットなどは、五感のバランスを育て、豊かな情操を育てるのに役立つでしょう。

年長になるとカルタ、トランプ、ファミリーゲームなどが楽しめるようになります。これらは親子、兄弟、友人同士のコミュニケーション能力、社会性の育成に役立つでしょう。このような目で子供のおもちゃを考えると、おもちゃ選びが楽しくなるのではないでしょうか。まず安全であることが最優先です。

最近少し心配なことがあります。幼稚園の年長さんや小学生で、猫背の子が目立ちます。テレビ画面を見ながら、手元でコントローラーを操作しているときの姿勢そのものです。いかにテレビゲームなどをやる子が多いかを表しています。テレビゲームが全て悪いとは言いませんが、ゲーム側からの一方的な要求、すでにセットされた情報にいかにすばやく処理するかというトレーニングばかり積んでいると、創造性、主体性が育たないといわれています。

また、最近第二次たまごっちブームがありました。うまく育てないとゲーム機の中で死んでしまいますが、リセットすればまた始められます。死がバーチャルなものになってしまい、現実の人間の死も、リセットしたら生き返ると思ってしまう危険性を指摘する声もあります。

おもちゃとはデパートなどで売っているものだけではありません。子供は砂遊びや泥んこ遊びが大好きです。男の子ではカブトムシなどの昆虫はほとんどの子が好きですし、草花は女の子も男の子も大好きです。海辺で見つける貝や小さなカニなどに子供は目を輝かせます。家族みんなで自然に触れることは、最も良質のおもちゃと言ってよいと思います。