20 今回は子供と入浴、特に風邪を引いているときの入浴についてお話します。

子供の多くはお風呂大好きだと思います。子供は大人に比べ、新陳代謝が盛んなので汗もたくさんかきます。入浴は皮膚を清潔にし、血行を良くします。皮膚を温めることにより、緊張を解きほぐし、ストレスを取り除くなどの効果があります。

では風邪を引いたときには、どのように考えたらよいのでしょうか。

風邪には、安静、保温、十分な栄養補給が大切といわれています。病気と闘うときには、体はいつもよりも多くのエネルギーを使います。動き回っていると余分なエネルギーを消費しますし、保温に気をつけず体を冷すと、またそれだけ消耗することになります。

では入浴はどうなのでしょうか。

以前は子供が風邪を引いたら風呂にいれないのがよいと考える医師や親が少なくありませんでしたが、最近は入れてもよいと指導することが多いようです。ただ、その指導内容はさまざまで、一定の基準がないのが実情です。

一つの考え方として、入浴を運動と同じように考える人もいます。すなわち、熱も高く、かなり具合が悪いときに、激しい運動を控えるのが常識とすれば熱いお湯に長時間入り、体に負担をかけるのは好ましくない。しかし、微熱で鼻水、せきが少しあるだけのときは、体操や軽い運動は可能なので、ぬるめのお湯に短い時間入り、リフレッシュすることは問題ないというものです。

39~40度のぬるいお湯では脈拍数も減少し、血圧も低下します。逆に41~42度の熱いお湯では脈拍数が増え、血圧も上がります。すなわち体のエネルギー使用量を考えると、ぬるいお湯に入る方が負担は少ないのです。

日本では風邪で熱があるとすぐに熱さましを使用する傾向がありますが、欧米では熱がある子供をぬるま湯や水風呂に入れて熱を下げるという習慣があります。われわれからすると少し驚きですね。

私は風邪の子供の入浴については

①風呂場や脱衣所を暖かくしておく
②長湯をさせない
③体のほてりが引いてから寝かせる
④髪をよく乾かす
⑤熱を下げるには発熱時の体温よりやや低めのお湯に入れること

などを基本として、熱が38.5度以下の場合は入浴してもよいと指導しています。

風呂場で遊ばせたり、郊外温泉に連れて行くのはだめと念を押します。特に汗をかくと湿疹(しっしん)がひどくなるような子は、なるべく入浴させるようにしています。

入浴は鼻詰まりにも有効ですし、腹痛や下痢のあるときも腸の動きを少なくして痛みなどを軽くする効果があります。昔、おなかが痛いとき、母親がぬるめの湯たんぽをおなかに当ててくれると楽になったことを思い出します。ただ入浴を嫌がる子を無理に入れる必要はないと思います。心配するおばあちゃん、おじいちゃんともよく相談して入浴させるのがよいと思います。