0000■多い子供の事故

意外に感じるかもしれませんが、最近は小児期の死亡原因の第一位は、肺炎などの感染症ではなく、事故なのです。全死因のほぼ三分の一を占めています。ですから、事故を防止することは病気の治療をするのと同じくらいに大切なことなのです。
子供の事故を分類してみると、転落、打撲、切り傷、窒息、熱傷(やけど)、溺水(おぼれる)、交通事故などがあります。そのほかに、大事なものとして誤飲があります。
子供では、起こりやすい事故の種類が年齢によって違うということを頭に入れておくことが大事です。当然、子供の発達段階に応じた事故対策が必要になります。
例えば、ハイハイをする赤ちゃんがいる家庭では、床や畳の上に危険物を置かないように気を付けましょう。一歳から二歳では、自分で自由に歩き回りますので、子供の目線の高さにあるものに注意が必要です。また、子供は親の触るもの(化粧品など)をよく見ており、保管をきちんとすることが大切です。転落事故、風呂でおぼれる、やけどなどもこの年齢に多い事故です。
三歳から五歳では行動範囲も広がり、椅子を使って高いところにあるものでも危険物になることがあります。戸棚にしまっておいた薬なども注意が必要になります。

■誤飲

子供の事故で最も多いのが誤飲です。
日本では畳という独特な生活様式があるために、一歳前後の子供の誤飲事故は、欧米に比べてはるかに多いのです。身の回りにあるものはほとんどが誤飲の対象になります。では、最も多いのは何でしょう?それはタバコです。
私の病院でも誤飲の大半はタバコでした。タバコ誤飲の処置については、日本小児科学会からのガイドラインが出されています。それによると誤飲に気付いた時点で、すぐに吐かせるように。紙巻タバコの誤飲量が2センチ以下であれば、吐かせる以外の処置は必要なく、四時間観察して症状が無ければ問題無いと書かれています。
但し、タバコの溶けた液体(浸出液)を飲んだ場合は、すぐに病院へ行かなければ危険です。幸い日本では市販のタバコの摂取で死亡した例は報告されていません。タバコ以外で私が経験したもので、まれなものとして、ガス漏れ検知器の試薬とか、鉢植えなどの花の栄養剤とか、油を固める凝固剤などといったものもありました。
誤飲の中で最も注意しなければならないものとして、石油製品、農薬、医薬品などがあります。すぐに病院に連れて行く必要があります。
大切な子供を事故から守るために、年齢に応じてどんなことに気をつけるべきか、小児科専門医の先生に相談しておくのがよいと思います。