000最近の食中毒の特長は、原因となる病原体が多様になってきたことがあります。理由としては外国から入ってくる食材が増えたこと。外食をする機会が多くなっていることなどがあげられます。以前は食中毒シーズンといえば、”夏”というイメージが強かったと思います。現在でも食中毒の約四割は夏季に見られますが、ほぼ一年中発生しています。

食中毒の原因は細菌によるものと、ウィルスによるものに大きく分けられます。食中毒として届出されたもので、細菌ではサルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌が御三家といってよいと思います。

そのほかに、キャンピロバクターという細菌があります。これは家族の中で1人だけに発症する場合もあり、いわゆる集団食中毒として届出がなされることが少ないのですが、数としては先の御三家と肩を並べるか、それ以上あると考えられています。

食中毒を予防するために効果的なことは、食品を十分加熱することです。生卵によるサルモネラ、夏の海水温度が上がった時期に生で食べる魚介類などによる腸炎ビブリオも要注意です。

夏に戸外でする焼肉パーティは楽しいものですが、鶏肉、豚肉、牛肉のどれにもキャンピロバクター菌がついている可能性があり、十分に焼いて食べるのが安全です。

ウィルスによる食中毒としては、昨年冬から今年春にかけて保育園、幼稚園、小学校などで流行したノロウィルス感染症が代表です。名前を聞いた記憶のある方が多いと思います。以前の小型球形ウィルス(SRSV)という名前が、最近変わったもので、新しく発生した感染症ではありません。生ガキなどに含まれていることもあり、時に集団食中毒の原因になることもあります。ただ、このウィルスは食品からだけではなく、患者の便からも感染が広がりますので、トイレの後始末とか十分な手洗いが大切です。

食中毒は便の中の最近を調べて、初めて診断可能です。症状では、便意を感じてトイレに駆け込む。お腹はキリキリと痛いが、便はなかなか出ないという”しぶり腹”の時は可能性が高いようです。単に冷たいものをとりすぎたり、お腹が冷えての下痢では”しぶり腹”は少ないようです。

また、子どもの食中毒は下痢だけでなく、吐き気、嘔吐(おうと)を伴うことが多いようです。食中毒の中でも腸管出血性病原性大腸菌(O-157が有名)の場合は急速に重症化して命を落とすこともあります。下痢を軽く考えずに、出来れば便を持っていき、小児科の先生に診てもらうことをお勧めします。