0長い歴史に耐えて残っていることわざには、今でも感心するようなものがたくさんあります。愛情を持って子供を観察して初めて気が付くというものも多く、これからの子育てにも大いに役立つものがあります。

■寝る子は育つ

最近は一歳半児の40%、三歳児の50%は夜十時過ぎに寝ているという調査報告があります。
このことわざは今から二十年位前に、医学的にも正しいことが証明されました。人の身長を伸ばすために最も重要な成長ホルモンが、実は夜寝ているときに脳から多く分泌されていることが分かったのです。
眠りが不規則な子供では、睡眠中の成長ホルモンが十分に分泌されません。子供の成長には早寝が大切なことを知っておいてください。
また、愛情遮断症候群といって、子供にとっての生活環境がつらく苦しい場合、やはり成長ホルモンの分泌が低下して、身長が伸びなくなります。
愛情に包まれて、活発に自由に遊びまわり、ぐっすりと眠るということが子供の成長にとって、いかに大切なことか、当たり前のように思いますが、改めて考えてみる必要があると思います。

■三つ子の魂百まで

弘前市の乳幼児健診に三歳児健診があります。三歳というのはとても興味深い年齢です。食べなさいというと食べたくない、行こうというと行かないなど、第一反抗期の年齢でもあります。
小児科医は子供の発達について各年齢の特長をよく知っていますので三歳の子供を見るといろいろなことが分かります。
子供は成長とともに性格も変化しますが、三歳の時点でやさしい個はその後も優しい性格のことが多く、気の弱い子、心配性の子、乱暴な子、きかない子、頑固な子など、ある程度性格を分類してみると、その後もその性格が続いていくことが少なくないようです。
昔は年を数えで言っていたので「三つ子」とは今の年齢で言うと、二歳から三歳くらいでしょうか。この年齢を情緒豊に愛情を持って育てることが、将来の良い性格、良い人格を作っていくことにつながるのではないかと思います。

■子に過ぎたる宝無し

昔の万葉集にこんな歌があります。
「しろがね(銀)も、くがね(金)も、たま(宝石)もなにせむに、まされる宝、子にしかめやも」
どんな宝も子供には及ばない、子供は最上の宝だという意味です。最近の日本では少子化が進んでおり、大きな社会現象となっています。しかし、子供を強くたくましく育てていくことは、将来の日本にとって重要なだけでなく、現在生きている我々にとっても、極めて大切なことなのです。

先日改めて「人類の子供たち」(P・D・ジェイムズ、早川書房)を読みました。全世界で子供が一人も生まれず、人類の滅亡が決定付けられたとき、人はどう生きるのかという小説です。人はゆめも希望もなくしてしまうのです。子供の誕生というものが我々人類にとって、かけがえの無いものだということを強く感じました。