予防接種に思う

日本は長らく予防接種後進国と呼ばれていました。しかしここ10数年の間に本邦で導入された新しいワクチンは10種類を超え、ようやく世界の標準に近づいてきました。昨年10月から長年要望していたロタウイルスのワクチンが世界の100番目くらいでようやく定期接種になりました。その前の2016年10月からは、これも待ちに待ったB型肝炎の予防接種が定期接種になりました。ここで出てくる定期接種という言葉は一般の方には聞きなれないものと思います。国の予防接種法で規定され、公費負担で接種させるものを言います。それ以外に日本では任意接種という独特の分類があり、原則保護者負担の予防接種です。おたふく風邪、A型肝炎、髄膜炎菌ワクチンなどがあります。おたふく風邪ワクチンが国の予防接種プログラムに入っておらず任意接種なのは世界の先進国では日本だけです。

ワクチンの種類は徐々に後進国状態を脱しつつあります。さらに他の国では普通に行われていた、異なるワクチンの同時接種が日本でも行われるようになりました。また一つの予防接種を受けた後に一定の期間を開けないと次のワクチンを受けられないという制限も昨年10月世界標準に沿った改正がなされてきています。

このように子供に対する予防接種は、時間がかかりましたがよくなってきています。

しかし現在の緊急課題である新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種はどうでしょう。この度のワクチン接種の混乱は2009年にあった新型インフルエンザパンデミック時の再現のようです。2009年と同様今回も外国頼みのワクチン入手が遅れに遅れ、接種体制の確立もスムーズにゆかず、前回からの学習ができていないかのようです。

今回の試練を乗り越えた後は、日本がワクチンを始め感染症制圧で世界をリードする国になることを心から期待したいと思います。